「このパーティに足りていないもの、それはMUSIC!すなわち『音楽』だ!!」

館内をひと通り巡り、ようやくたどり着いた答えを、ずっと僕についてきている、自分を突き落とした張本人(霊?)に向かって叫んだ。

「そうかなるほど、音楽がこのパーティには足りてなかったんだね!そうと分かればすぐに準備だ!」

そう言って他のオバケを呼び出すと、何かを頼み始めた。

そのオバケは一度うなずくと、中の部品が飛び出して、もう使い物にならなさそうな壊れたコンポのスピーカーに向かって、直進し始めた。何事かと様子をうかがっていると、なんとスピーカーの中に入り込んでしまったではないか。次の瞬間、もう音なんて出ないであろうスピーカーから軽快な音楽が鳴り響き始めた。驚いた。これがポルターガイストの正体だったのか。

しばらくすると、ハロウィンパーティが始まった。フランケンシュタインやミイラ男、ドラキュラに魔女と、映画でしか見たことない有名人たちが目の前にいる。

パーティが始まると同時に、ずっと一緒にいたあのオバケから参加したオバケたちへ、

「皆さん注目!なんとここにいる彼が、この盛大なパーティを完成に導いてくれたのです!!哀れな彼を、私たちの力で元の世界に戻してあげようではないですか!!」

との声掛けがあった。なんか一言多かった気がするけれども。

声掛けに応じた、大いに盛り上がっているオバケたちが僕に手を向ける。すると、目の前が光に包まれた。
―――目が覚めると、僕は見慣れたベランダにいた。なんとか元の世界に戻ってくることができたようだ。それにしても、確かに向こうの世界でパーティに参加していたオバケたちは音楽に合わせて踊りを踊ったりして、とても楽しそうだったように思う。皆が来るまであまり時間がない。僕も皆を驚かすよりも、盛り上がるような音楽の準備でもしてみようかな。


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